第3回更新一言メッセージ

交易品を運ぶ荷馬車は乗り心地が悪い。地面に散らばる石ころの鼓動を直に受けながら、私の耳は精霊街道の先を飛ぶ鳥の鳴き声と、後ろに連なる馬車の音、そしてすぐ近くで延々と続く商人達の話を聞き分けていた。隊商の先頭を走るこの馬車には、護衛としてつけられた私、隊商を指揮するアルベルト、そして商人が数名乗っている。他の馬車にも一台一人、最後尾の馬車では数人が荷物の警備にあたっているらしい。協会の冒険者とは比ぶべくもない安値の傭兵達だが、人で構成された盗賊の相手ぐらいならできるだろう。
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