第1回精霊コロシアムで設定したセリフ集です。
この他にも猛毒・再生・武器魔力付与・防具魔力付与にもそれぞれセリフを設定していましたが、まとめ作業に力尽きたので興味をもたれた方は戦闘結果をご参照ください。
いやむしろ相手の方々がとても魅力的なんでぜひ戦闘結果を見てください!!
(※このブログの記事には画像ファイルが沢山あるので読み込みに時間がかかるかもしれません)
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第1回精霊コロシアムで設定したセリフ集です。
この他にも猛毒・再生・武器魔力付与・防具魔力付与にもそれぞれセリフを設定していましたが、まとめ作業に力尽きたので興味をもたれた方は戦闘結果をご参照ください。
いやむしろ相手の方々がとても魅力的なんでぜひ戦闘結果を見てください!!
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護衛という言葉は、おしゃべりな人間の話を聞くことだっただろうか。そんな疑問が浮かぶほどに、私が受けた依頼には話を聞くという面倒な雑務が含まれていた。今回の護衛対象は私と変わらないただの少女。正確には”変わらない”という表現を当てはめたくはないほどに、彼女と私の性格は大きく違っていた。
アマーリア。ヘルマンから護衛を頼まれたその少女の口は、歩き始めてから一度も止まることがない。相槌を打つ必要もあるのか分からないほどに、ただひたすら彼女の話を聞かされるだけの道中。カルフまでの隊商護衛と比べればその距離はゼロにも等しいが、しかしこうして一対一で他人の話を聞かされ続けていれば感じられる仕事の重みは数倍。流石、協会からの依頼レベルが一つ上だけのことはある。
しかしこの少女、ヘルマン博士の助手というだけあってその知識量は半端なものではない。知識量、というよりは博士の発明に対する記憶量というのが正確なところかもしれないが。それが彼女の助手としての強みなのか、あるいは子供が訳も分からず地図にある町の名前を覚える現象でしかないのかは分からない。どちらにしても、彼女のおかげでヘルマン博士がどのような研究を行っているのかはよく分かった。研究室に入った時に見た妙な閃光や、煙の臭いも納得がいくほどに、あの博士の研究はデンジャラスだった。
休むことなくしゃべり続けるアマーリアと、それを話は私の耳を通じて右から左へと抜けていく。そしてその後ろから二つの影。追跡者の実力は大したことがないし、このあたりで魔物が集団で人に襲い掛かるという話も聞いていない。さてどこで潰そうか、と頭の半分をそちらに持っていく。アマーリアの話を中断したいならば即座に戦闘に入っても構わないが、彼女に戦闘の経験があるとは思えない。ましてただの少女だ、魔物と出会って腰でも抜かされては面倒なことになる。私の腕だけで彼女を運んで行けるほど、精霊術は柔軟ではない。それならば第二研究所にたどり着いたところでおびき寄せた方が戦闘後の処理も楽に違いない。依頼の内容は彼女の護衛。第二研究所の場所を魔物に教えるなという内容は聞いてはいない。
そんな風に打算を巡らせていると、彼女の足がピタリと止まった。
いつもの路地裏を抜けると、眩い太陽に照らされたハイデルベルクの大通りへと出る。静かな路地裏の世界から得体の知れない人だかりに放り込まれる瞬間は、いつまでたっても気分が悪い。精霊協会に所属して早二か月が経とうとしているが、私の体は未だこの光に満ちた世界に順応できていなかった。路地裏との輝度差に目をしばたかせていると、遠くのほうから馬の蹄と車輪の音が近づいてくる。幾度となく護衛の依頼を受けた私には、それがなんであるのかは薄目を開けて確認するまでもなかった。今日も隊商が精霊街道へ向かって馬車を走らせる。私が普段護衛を担当するのはカルフとの交易をする南行きの隊商だが、ここですれ違うということはあれは北行き。できれば北の地方へ行かされる以来は当分お断りしたいものだ。私が必死で辿ってきた足跡を、もう一度踏み直すのは気分が滅入る。
遠ざかる馬車の音を振り払って、私の足はいつもの広場の方向へ向かっていく。とはいっても、今回用があるのはその広場ではなく精霊協会だ。この足で通った回数で言うならば、広場よりも協会への道の方が多い。協会の図書館保管されている文献を漁るため、依頼のない日はいつもあそこへ通っているからだ。尤も、この二ヶ月で得られた成果は喜ばしくはない。過去の模擬選の記録や依頼の記録や、精霊術の扱い方についての資料はいくつか見つけられたが、私が本当に欲しいものはそれではない。
召喚精霊と融合し、劇的な身体能力を手に入れる術。相手の体内の精霊力をかき回し混沌とさせ、まともに歩くことすら困難にする術。ここに来るまでの間に耳にした、禁忌とされる精霊術の噂はどれもただの噂に過ぎなかったのか。幾多の文献を読み解いたところで、未だそれらの術のしっぽすら掴めない。歴史の中に揉み消されたのか、あるいはもっとどこか、厳重に保管されているのか……。
考え事をしながら歩いていると、急に横風が強くなった。周りを見渡すと、どの人もいかにも寒そうに身をかがめながら道を歩いている。なるほど、いつの間にか私は橋の上に辿り着いていたらしい。この時期になると水とともに流れてくる風は、耐寒を怠った人々には手厳しい空気を運んでくる。普段から冷気を扱う私にとっては、冬のこの空気のほうが心地よいのだけども。口に一つ深呼吸をさせて、冷たい空気を体の中に送り込む。ただ、送り込むだけの動作。思考に浸っていた心を前に向ける。目の前には小さな山と、その中腹にそびえ立つハイデルベルクの城。私の目的地はあの麓。今回の依頼は今迄のゴブリンのように甘くはないと聞いているが、こちらも人間相手の模擬戦はすでに何度か繰り返している。特に一対一の戦いでは負けたことがない。果たして精霊戦士隊を名乗る部隊の実力は如何程のものか。吸い込んだ冷たい空気をそのままの温度で吐き出して、私は少しだけ軽くなった足を前に踏み出した。
術名:ブライニクル
「死のつらら」と呼ばれる実在の自然現象。相手は死ぬ。
術イラスト
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