Happy birthday to you,
Happy birthday to you,
Happy birthday, dear …
私の口から、蚊の鳴くような声で誕生日を祝う歌が紡がれる。
祝われる人間はここにはいない。
私以外に誰も祝うことのない誕生日。
もう、数える意味のないことだけれど。
私はこの習慣を欠かすことなく続けている。
私の目的を確認するために。私たちの願いを忘れないために。
お父さん。
すごく遠回りしてしまったけれど。
とても長い時間がかかったけれど。
私たちの願い、叶えてみせるからね。
きっともう、手の届くところにあるはずだから。
私が成功したら、いっぱい、いっぱい褒めてね、お父さん。
みんなが戻ってきたら、また家族4人で暮らそうね。