LastOrder#A Vo.1日記修正版

Vol.1日記の微修正版。5分ぐらい最後に調整した分が締切で反映できなかったので。ちょっとだけ締めにまとまりができています。


「ごちそーさまでした!」

研究学園の廊下に響く快活な声。カラカラとドアが開けられると、口に木の串を咥えた赤髪の少女が給食室から飛び出してきた。
少女の名前はアカリ・クリムデリット。この惑星に集まってきた開拓者の一人だ。
咥えているのはみたらし団子という異国の食べ物である。
白色の粉に水を加えてながら丸めて、甘い飴色の液体をかけた食べ物だと説明された。
彼女は教えてもらえなかったことだが、尖ったものを咥えながら歩くのは大変危険なのでやめましょう。

またたく間に食べ終えたみたらし団子の串をゴミ箱に入れ、ごちそうさまでしたと再び手を合わせる。
この星に来て最初の日。研究学園で食べた食事は概ね満足のいくものだった。
グルメの人が開拓しようとしているのだから、給食室でも色んな国のグルメ料理が提供されていたのかな? と考えながらコップに汲んだ水を飲む。
依頼者が美食愛好会というだけあって、多分きっとそうなのだろう。
(ちなみに、アカリの味覚は基本的に「食べられない」「食べられる」「おいしい」「おいしい!!」の四段階にしか食べ物を分類できない)
旅をしているとまともな料理にありつけないことも珍しくはない。
できるなら美味しいものを食べたいな、と思ってこの募集を選んだのは正解だったようだ。
明日からの開拓でもこんな料理が食べられると良いな、と心を踊らせながら、アカリは学園の外へと歩いていった。